更新日: 2021年01月25日
平成20年度3月補正
平成21年3月定例町議会提案理由説明要旨
本日ここに、第一回定例町議会を招集しましたところ、議員各位にはご多用のところご出席いただき誠にありがとうございました。すでにご案内のとおり、今議会に提案いたしました議案は、予算関係21件、条例関係11件、その他の案件10件の合計42件であります。
それでは諸議案を審議していただくにあたり、主な議案につきましてその概要を説明いたします。
最初に、議案第14号 平成21年度智頭町一般会計予算についてであります。
平成21年度国の地方財政計画では、百年に一度と言われる経済危機の中、雇用創出や地方の元気回復対策として1兆円の地方交付税増額措置をはじめとする例年以上の財政措置が講じられたところでありますが、本町におきましては、自主財源の町税について昨年より5千万円強の減収が見込まれています。
また歳出面においては、公債費がピークを過ぎたものの依然として高水準であること、さらには病院事業や下水道事業への繰り出しが大幅に増加し、基金の取り崩しを余儀なくされるなど、昨年以上の厳しい状況下での予算編成となりました。
こうしたことから、予算編成作業においては、喫緊の課題につきまして補助事業を活用する一方、町債の発行を可能な限り抑制し、歳出の効率化に努めるなど、持続可能な財政構造の確立に向け、編成したところであります。
その結果、予算総額は、前年度当初予算と比較して6.6%増の45億8千4百万円となりました。
さて、私は就任以来申しております「信頼される行政」として役場と住民との距離を縮め、「協動」による地域づくりを目指しています。従来のようにリーダーひとりが町を引っ張っていく時代は終わったと考えております。
私は町の運営を三輪車にたとえ、前輪は住民、後輪は議会と行政が担い、町長が小さなハンドルを持って必死で漕いでいくスタイルでいきたいと思います。
まず、まちの進むべき方向を示すために各家に表札があるように私はこの町の表札として「みどりの風が吹く疎開の町智頭」を掲げました。キーワードは“疎開”であります。
その中でまず、取り組みたいのは農林業の振興であります。今までの国の施策の中でも脇に追いやられてきた感のある農林業でありますが、私はやはり農林業は国を支える屋台骨の産業であると思います。
本町面積の93%を占める森林、多くの休耕田を抱え、荒廃が進みつつある農地から目を背けることなくこれらを「新たな地域資源」として捉え、企業や若者など新たな人材の農林業への参入を支援していきます。
また、森林の持つ多面的機能に着目した「森林セラピー」の推進など林業+医療+観光など異業種を有機的に組み合わせるなど、今までとは角度を変えた視点で「新たな農林業の振興」を図っていきます。
また、この度「河原IC」まで延伸する姫路鳥取線を“福祉ロード”として位置付け、積極的に智頭の魅力づくりを進めながら、ストレスを抱える都会から多くの方を智頭に呼び込めるよう情報発信と住民力を活かした受け皿づくりを行って参ります。
そのための鍵は高齢者の持っておられる智恵と熟練の能力が最大限に活かされるようにすること、町内の6つの地区がそれぞれ地域の特色を活かしながら切磋琢磨して魅力向上を図っていくことにあると考えております。
昨年から町の中で大きなうねりとなっている「百人委員会」「1/0地区振興協議会」「1/0人づくり塾」などに代表されるような住民主体の町おこし運動は、今まさに住民に定着しこれらの構想が実現していくか非常に重要な時期にあると思いますので、引き続き積極的に支援して参ります。
これらのことを実現するためには冒頭申し上げました病院の経営改善は必須の条件となりますので、今回策定しました病院改革プランに基づき、経営の立て直しに全力を傾けていきたいと考えております。
また、少子高齢化が顕著な状況の中、次代を担う人づくりは重要な課題です。
智頭の特色を活かした、智頭ならではの子育て、教育が実現できるように継続して取り組んで参ります。
この度の予算では、このような思いを込めて、国や県等の制度を有効に活用しながら、住民主体で町を活性化する取り組みとして「自立と協働によるまちづくり」・「安心・安全なまちづくり」・「資源を活かしたまちづくり」・「人が輝くまちづくり」の4項目を重点項目として予算編成を行いました。
それでは、まず最初に「自立と協働によるまちづくり」についてご説明いたします。 本年度は、先程申し上げましたとおり、「みどりの風が吹く疎開の町智頭」をキャッチフレーズに、「疎開」というテーマでまちづくりを展開したいと考えております。
ストレスを抱える関西を中心とする大都会から、福祉ロードとして位置付ける姫路鳥取線に乗って、多くの方に智頭にお出でいただき、本物の田舎の中で癒しの時間を持っていただき、それらの機会を最大限活用することで定住者増にも繋げていきたいと考えています。
また昨年から始めました百人委員会ですが、予想を超える多くの方に参画していただき、町の将来を憂う皆様より住民ならではのユニークな提案をたくさんいただきました。今月には総括として報告書を提出していただくこととなっております。
本年度につきましては、改めて委員募集を行い、昨年提案いただいた議論の土台の上に新たな議論を発展的に展開していただくよう期待します。
また提案いただいた事業を実現するべく、町の施策として取り入れさせていただいたものと、住民自らが智恵と汗を絞り自主的に行うまちづくり事業に対しては、新たな交付金制度を創設し支援していくこととしております。
智頭町からの情報発信とともに都会からの定住希望者も増えてきましたが、それらの受け皿として、住宅の購入・改築費を補助するとともに、本年度から新たに空き家提供者にも一定の支援を行い、空き家の利活用が進むよう措置しています。
集落ゼロイチに加え、昨年から始まった地区版のゼロイチ運動の継続支援、鳥取因幡の祭典のイベント展開、新たに観光PRポスターの作成、智頭町古文書と7人の侍実行委員会への支援などを積極的に行い、町ホームページもリニューアルする中で、年間を通じて戦略的に智頭の魅力を情報発信して参ります。
また、地域情報化の基本構想をこの度とりまとめる予定ですので、これに基づき、携帯電話の不感地区の解消、地上デジタル放送受信支援と合わせて、ブロードバンド環境を整える基盤整備にも次年度以降着手し、情報格差の是正が一日も早く図られるよう取り組んでいきたいと考えております。
次に「安心・安全なまちづくり」についてであります。
誰もが住みやすい地域を目指して、互いに支え合う社会を構築することを基本に、昨年度から始まった後期高齢者(長寿)医療制度の事業を円滑に運営するため、所要の経費を計上しております。
また、障害者対策では、障害のある方の自己実現、自己決定と自己選択によって地域で安心して生活できるよう、自立支援法に基づく日常生活用具給付事業、日中一時支援事業、相談支援事業などの地域生活支援事業を中心に引き続き措置し、障害者の自立と社会参加を促進することとしております。
また、高齢になっても住み慣れた地域で安心して暮らせる社会の実現を目指して、高齢者の生きがい推進事業、在宅介護、施設介護の支援事業などの各種事業に対し、引き続き所要の経費を計上しております。
また少子化対策の一環として安心して出産を迎えられるように、現在7回の助成を行っております妊婦健診助成事業を最大14回までに増やすとともに、少子化対策と併せて、医療費負担の軽減策として、現在対象が就学未満である特別医療助成制度を町医療費助成制度で義務教育終了まで拡大するほか、県下初となるインフルエンザ菌b型予防接種、おたふくかぜ、水ぼうそうの予防接種負担を軽減するため新たな助成制度を町独自で創設することとしております。
なお、町独自の助成措置は原則として町内医療機関利用者に限定しておりますので、ご理解をお願いします。
一方、乳幼児を中心に虫歯罹患率が近年県下で最も高いという憂慮する状況にありますので、意識改革と正しい知識の普及啓発も含め、虫歯予防対策に積極的に取り組むこととしております。
また、がんドック・がんと脳のセットドックも国保事業と併せて行うとともに、平成20年度から始まった特定健診、従来から行っているがん検診の受診率向上に向け、緊急雇用創出事業で健診の受診勧奨を専門に行うスタッフを配置するなど、健康診査事業や予防活動に力を入れ、生活習慣病の早期発見・早期治療を目指すこととしております。
さらに、健康意識を町民に醸成させ、健診受診の機運を盛り上げるには、地域福祉計画にも盛り込んでおります各集落の保健衛生委員の役割が最も重要であるとの認識から、委員の育成支援を積極的に進めることとしております。
併せて病院改革プランに基づき病床再編、収益増加、経費削減に取り組んでいる智頭病院の経営健全化を確保するため、病院事業特別会計へ繰り出し金を増額措置することとしております。
次に「資源を活かしたまちづくり」についてであります。
まず、農業振興対策については、本年度から、ふるさと雇用再生事業を活用して、(株)サングリーン智頭に農業専門家が配置されるのに合わせて、智頭町に適した特産物の発掘から販路開拓までの独自ルートを開拓する事業を委託する所要の経費を計上しております。
本町の特産品であるりんどう・自然薯の生産活動を引き続き支援するとともに、智頭町のおいしい米を有機栽培、特別栽培する認定農業者、農業参入している企業を支援して参ります。
また「担い手育成確保支援事業」で農地を賃貸した場合、定額助成するよう措置しております。
畜産振興につきましても、優良雌牛、優良精子の導入助成を予算計上しております。
地籍調査事業につきましては、本年度から鳥取県土地改良事業団体連合会より専門員を派遣していただき、事業の充実と進捗を図っていくこととしております。
また、本町の基幹産業である林業振興につきましては、「智頭林業・木材再生ビジョン」を基本にしながら、低コスト林業の推進、森づくり作業道、県営林道の開設を進めながら、地元原木市場に木材が搬出されるよう間伐材持ち出し支援の嵩上げ、市場のはい積料に対する助成を継続するとともに、新たに引き渡し手数料に対する助成を行うこととしております。
本年度より、森林と智頭病院を連携させた智頭町独自のまちづくりを行う「森林セラピー事業」に本格的にとりかかります。
これは先の特産物開発と同じく、ふるさと雇用再生事業を活用して、(株)サングリーン智頭に林業専門員を配置し行うものであります。
併せて「町民の森(仮称)」の整備も、引き続き行います。
智頭町の資源である森林に、ナラ枯れが侵入してきており、その対策として、薬剤注入して阻止するよう予算計上しております。
また、智頭林業の魅力をPRするよう、新たに林業パンフレットの作成を行います。
さらに歴史の道整備活用推進事業で、福原に情報発信を備えた施設の整備を計画しております。
最後に「人が輝くまちづくり」についてであります。
次世代育成推進につきましては、保育園における特別保育の充実、家庭支援推進保育事業の推進、放課後児童クラブの充実、子育て支援センターの開設日の拡充等により町内での子育て施策の強化を図ることとしています。
また、新たな発想での子育ての一つである森のようちえん事業に対し、ふるさと雇用再生事業を活用し支援することとしています。
学校教育につきましては、昨年に引き続き教員の加配により複式学級の解消、中学校33人学級を実施し、併せて特別支援教育支援員の配置により特別支援学級の充実を図ることとし、また、IT教育の推進を図るために中学校のパソコンの更新を計画しています。
さらに、新規事業として保育園から小学校への円滑な移行を図るための幼児教育充実活性化事業に取り組むこととしています。
社会教育につきましては、家庭教育学級事業による効果的な学習機会を提供するための、「子育て親育ち講座」を開催するとともに「子どもの健康を守る講座」を開催することとしています。
また、中央公民館事業の教養講座として、初心者向けのパソコン教室を開催します。
次に文化財活用についてでありますが、鳥取県重要建造物群保存地区板井原集落の住宅1棟の屋根修繕を計画しております。
また、石谷家住宅については、引き続き国の重要文化財指定に向けて保護・保存活用整備を行うこととしています。
以上、平成21年度智頭町一般会計予算の概要を説明いたしました。
次に特別会計について、説明申し上げます。
議案第15号 平成21年度智頭町国民健康保険事業特別会計予算については、国民健康保険被保険者に対する医療給付費を措置するとともに、平成20年度から特定健診・特定保健指導が始まりましたが、より受診率の向上を目指した施策、新たにがんドック、脳ドックを含めたセットドックを実施することとしております。
議案第16号 平成21年度智頭町簡易水道事業特別会計予算については、各施設の水質検査等の維持管理に要する経費を計上しております
議案第17号 平成21年度智頭町住宅新築資金等貸付事業特別会計予算については、貸付金の収納及び償還事務に係る経費を計上。
議案第18号 平成21年度智頭町公共用地先行取得事業特別会計予算について、土地開発基金利子を措置しています。
議案第19号 平成21年度智頭町老人保健特別会計予算については、平成20年度から後期高齢者医療制度が新たに創設されたため、これの調整に伴う経費を計上しております。
議案第20号 平成21年度智頭町公共下水道事業特別会計予算については、平成20年度で整備工事が終了し、本年は維持管理に要する経費及び県の補償工事を計上しております。
議案第21号 平成21年度智頭町農業集落排水事業特別会計予算については、各地区処理施設の維持管理に係る経費を措置しています。
議案第22号 平成21年度智頭町介護保険事業特別会計予算については、介護サービス、介護予防の給付費を措置しています。またすべての高齢者を対象とした元気な生活が送れるよう地域支援事業に要する経費を措置しています。
議案第23号 平成21年度智頭町介護保険サービス事業特別会計予算については、平成21年度から心和苑が指定管理者制度に移行することを勘案した予算措置としております。
議案第24号 平成21年度智頭町後期高齢者医療特別会計予算については、後期高齢者医療制度の運営に伴う経費を措置しています。
議案第25号 平成21年度智頭町水道事業会計予算については老朽管の更新を実施するとともに沖代配水池の改良工事を予定しています。
議案第26号 平成21年度智頭町病院事業会計については、この度策定した智頭病院改革プランに基づき、早期健全化に向け、所要の経費を計上しております。地域のニーズ、社会の変化を捉え、医療病床を45床削減して20床とし、医療に係る病床数を一般病床79床と合わせて99床、削減した45床については介護老人保健施設に転換することとしています。
続きまして、議案第27号 平成20年度智頭町一般会計補正予算について説明いたします。
国の2次補正に伴い、UIJターンの希望者を対象に生活体験用の滞在施設の整備、富沢地区地域振興交付金、除雪費用や、後期高齢者医療特別会計への繰出金ほか所要額を計上する一方、各種事業の実績見込みに伴う減額を行ったことによりまして、3,452万9千円を減額し、補正後の総予算は、48億3,577万7千円となるものであります。
また、議案第28号から34号までは、特別会計の補正予算であり、主に事業実績見込みに基づく補正であります。
次に、条例議案等につきまして説明申し上げます。
議案第3号 智頭町課設置条例の一部改正については、時代に対応すべく、総務課、企画財政課について事務分掌、課名変更を行うものであり、地籍調査事業の充実を図るため、新たに地籍調査課を設置するものです。
議案第4号 智頭町監査委員条例の全部改正については、行政の効率化と公平性の確保を図り、住民監査請求等への対応をスムーズに行うため、監査委員事務局の設置、監査項目等を明確にするため全部改正するものです。
議案第5号 職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正については、人事院の勧告に基づき、1日の勤務時間を8時間から7時間45分に変更するものであります。運用につきましては始業時、終業時の変更は行わず、昼の休憩時間で調整することとしております。
議案第6号 職員の育児休業等に関する条例の一部改正については、勤務時間の変更に伴い、育児休業時間の変更を行うものであります。
議案第7号 職員の給与に関する条例の一部改正については、勤務時間の変更に伴い、一部を改正するものです。
議案第8号 職員の給与の特例に関する条例の一部改正については、本町の厳しい財政状況を勘案し、引き続き職員の協力を得て職員給与を減額するものであります。具体的には、現行の5%から9.5%のカット率を4%から8.5%に改正を行うものであります。
議案第9号 災害弔慰金の支給等に関する条例の一部改正については、弔慰金並びに見舞金の限度額について変更するものであります。
議案第10号 智頭町介護保険条例の一部改正ついては、今回介護保険計画の見直しに伴い保険料を改正するものです。なお、経過措置として平成21年度から平成23年度の間は従来通りの額となります。
議案第11号 智頭町介護従事者処遇改善臨時特別基金条例の制定については、介護従事者の処遇改善等介護報酬改定に伴う介護保険料上昇分を抑制するため、新たに基金を造成するものであります。
議案第12号 智頭町病院事業の設置等に関する条例の一部改正については、改革プランに沿って病院事業に介護老人保健施設、指定訪問看護ステーション及び山形診療所を追加、病床数144床を99床に変更するものです。
議案第13号 智頭町消防団条例の一部改正については、団員定数を現状に鑑み530人から500人に変更するものであります。
続きまして、その他の議案につきまして説明いたします。
議案第35号 智頭町監査委員の選任については、現任の寺坂邦雄氏から辞職願が提出され、新たに岡田 一氏を選任するため議会の同意を求めるものです。
議案第36号 智頭町教育委員会委員の任命については、藤原一彦氏の任期が平成21年3月31日で任期満了となるため、引き続き同人を選任するため、議会の同意を求めるものです。
議案第37号から議案第43号までは公の施設の指定管理者の指定についてであります。指定管理者については、智頭温水プールほか5施設の指定期間満了に伴い、智頭心和苑については先の12月議会において設置管理条例に追加し、指定候補者の選定作業をおこなってきました。先日、外部の有識者を含めた選定委員会を開催し指定先を選定しましたので、地方自治法の規定により議会の議決を求めるものです。
議案第44号 字の区域の変更については、国土調査法の認証に基づき変更を行うものであります。
以上、本議会に提案いたしました諸議案の概要を御説明申し上げましたが、詳細については主管課長及び担当者をもって説明させますので、よろしく審議いただきますようお願いしまして、簡単ではありますが説明を終わります。