富沢地区
地区の歴史と特徴
篭山のふもとにある富沢地区は、史跡と歴史の豊かな地区です。八岐大蛇退治の彫刻が見ものの金刀比羅神社、中世の山城富貴谷城とこの城を拠点に勢力を広げていったといわれる草刈貞継と重継兄弟の物語など、この地域に根付く歴史的資源は枚挙にいとまがありません。豊乗寺は、国宝や重要文化財を数多く所有し、最盛期には僧坊12を数え、修行僧の行場として多くの学僧が集まった信仰と学問の拠点であり、そのことは今もこの地区の住民性に大きく影響しています。現在は、健全かつ持続可能な地区運営をめざし、一丸となって活動をしています。
歴史豊かな土地の上で静かに人々の暮らしが息づいている地区、それが富沢だといえるでしょう。
地区の取り組み
富沢地区では、平成9年に中田集落、波多集落で、平成12年に岩神集落で智頭町「日本1/0村おこし運動」の取り組みが始められました。中田集落では夏祭り、蕎麦づくりや蛇の輪の復元等、波多集落では集落だけの大運動会や集落内道路のあじさい植樹、ギボウシの栽培・加工等、岩神集落では河川、道路沿いの花づくり、岩神城跡整備などが実施されてきました。そして、平成24年には、富沢地区振興協議会が設立され、交流サロン「ひなたぼっこ」や「とみざ輪夏祭り」、篭山トレッキング、キクラゲの栽培と販路開拓などの取り組みが行われています。
蛇の輪伝説
恋に破れた女性が怒り狂って豊乗寺の池に入り、蛇となって篭山へ登ったという伝説による、蛇の輪の跡が篭山にあります。
富沢古墳
町指定文化財で7世紀前半と推定されるこの古墳は、横穴式石室で、人が容易に入ることができます。
キクラゲ
旧富沢小学校跡地を活用して、自立経営をめざして、キクラゲ栽培、加工、販売を行っています。
豊乗寺
嘉祥年間(848-851年)に創建されるも戦国時代に焼失し、現在の建物は江戸中期と伝わります。境内には本堂と茅葺き大師堂が、山頂には奥の院があります。
国宝絹本著色普賢菩薩像(東京国立博物館寄託)
国を代表する平安時代後期作の仏画であり、象の背に置かれた五重蓮華座に座禅し、合掌しながら行者の前に近づく普賢菩薩の姿が、優美な技法で描かれている。
金魚米
富沢地区の若者集団が、子どもたちと一緒に金魚を水田に入れ、化学肥料や農薬を使わないで、田植えから稲刈りまでを地域の人とともに行っています。